非正規雇用の増加に対して思うこと
こんにちは。達人ブログです。
本日は働く人に対する「非正規雇用」の増加に関して感じることを書きたいと思います。
厚生労働省のデータによれば、平成25年時点で役員を除く雇用者全体の36.7%が非正規雇用となっています。
これは、平成元年の時点(19.1%)に比べて2倍弱増加しています。
つまり働く人の3人に1人以上は非正規雇用ということになります。
これは圧倒的に多すぎる数値だと感じます。
安倍首相が「アベノミクス」で雇用を100万人創出したなどと高らかに宣言しているようですが、増えたのは非正規雇用が多く、正社員の数はそれほど増えていません。
もちろん非正規雇用が悪いというわけではなく、そういった働き方で自分自身の生きがいを見出したり、独自の価値観で生活している人も数多くいらっしゃると思うので、そのような場合は問題ありません。
問題なのは、本来正社員として働きたいのに、職がないから泣く泣く非正規雇用として働いている方が多いことです。
もちろんさらに根深い問題として、働きたいのに職にも就けないという方もいらっしゃるでしょう。
非正規雇用として働いている人で、本来は正社員になりたいのに、正社員の仕事に就けないから仕方なく非正規として働いているという「不本意非正規」の割合が19.2%(資料出所:総務省「労働力調査 平成25年」)です。
つまり非正規で働く人の5人に1人は本意ではなく、非正規として働いているということになります。
不本意非正規や働きたいのに職が見つからないという方に関しては、根本的に日本の社会システムに問題があるのではないかと感じます。
その要因の一つとして日本には一回レールを外れると、決められたレールに復帰するのが難しいという問題点があります。
プロ野球選手やサッカー選手等のスポーツ選手や、ミュージシャン、芸術家などのように秀でた能力があり、その能力を活かして生計を立てられる人は別ですが、多くの人は、決められたレールに従って人生を歩んでいくことになるでしょう。
つまり小学校、中学校、高校、専門学校、大学等の学生生活を終了し、社会人への道を歩んでいくのが一般的と思われます。
この制度が絶対視されているような風潮があることに問題があるのではないでしょうか。
もちろん学校で学んだり、人間関係を構築したりすることは重要だと思います。
しかしそれが全てではないということを言いたいのです。
例えば、小学校や中学校の頃にいじめに遭い不登校になってしまい、高校にも行けなかった等の事例も数多くあるでしょう。
それで、その子の一生が決まってしまうのは、あまりにももったいないことです。
日本では小さい頃や10代~20代の頃に一般的なレールを外れてしまった人を救済するためのセーフティーネットが少ないと感じます。
人生はいくらでもやり直せますし、子供のころに上手くいかなかったからと言って、大人になっても上手くいかないとは限らないでしょう。
大卒の新人一括採用にも同様のことが言えます。
新卒の際に正社員として雇われれば良いですが、採用されなかった場合や、採用された場合でも一度会社を辞めてしまうと、なかなか再度正社員として働くのが難しいという現状もあります。
それは本人が悪いと片づけてしまうのは簡単なことですが、これだけ数値として雇用問題が悪化している現状を目の当たりにすれば、本人の問題だけと考えるのは早計でしょう。
社会に問題があるから、これだけ数値が悪化していると考えるのが自然な流れだと感じます。
もっと多くの人がこれらの問題に対して声を上げ、セーフティーネットを強化する仕組みが確立されることを願います。
人間は社会の一員として認められてこそ、自分に自信を持って生きていくことができると感じます。
本日は以上です。
また次回に。